ゆげまる日本でサウナによく行っていたんですが、イギリスではなんか気軽に行く感じでもないって聞いてます。安全なところはありますか。
日本ではすっかり定着しているサウナ文化。整う(ととのう)を求めて日々サウナに通う方も多いでしょう。しかし、イギリスのサウナ事情は、日本と大きく異なります。
この記事では、「イギリスのサウナと日本のサウナの違い」について、文化・マナー・スタイルを中心に分かりやすく解説します。これから渡英される方や、イギリスでサウナに挑戦してみたいという方の参考になれば幸いです。
また心配な方は、ぜひロンドンのサウナサロンにご連絡くださいませ。
イギリスでは混浴が基本!?
日本のサウナは基本的に男女別。ですが、イギリスの多くのサウナ施設は男女混浴(男女共用)です。
これは「裸文化」の日本とは違い、欧米では公共の場での裸に対して抵抗がある人が多いため、水着やバスタオルを着用して混浴スタイルをとっているのが一般的です。ただゲイサウナのような男性専用のものもあります。
日本のように「裸でリラックス」というスタイルはイギリスではあまり見られません。

水着・バスタオル着用が基本スタイル
イギリスのサウナでは、水着を着用することが基本です。
ジム併設のスパエリアや公共のスパ施設では、水着を着用していないと入場を断られるケースもあります。
たまにヨーロッパの女性がトップレスでサウナにいますが、その方も途中で恥ずかしくなったか、バスタオルを巻いていました。
バスタオルを腰に巻いたり、サウナのベンチに敷いて座るのがマナー。
ただし、日本のサウナ施設でよく見るバスマット(座面用のマット)は、イギリスではあまり一般的ではありません。
バスマットは小さいためかあまり汗を床につけないことを防ぐにはふさわしくないように思えます。というのも日本のサウナと違って、タオル地の取り替えができるものがイギリスではないからです。
イギリスには「ゲイサウナ」がある?
イギリスには「ゲイサウナ(Gay Sauna)」と呼ばれる施設も存在します。
これは日本のいわゆる「男性専用サウナ」や「ミストサウナ」とは異なり、性的マイノリティの方々が交流できるLGBTQ+向けの社交の場として機能していることが多いです。
観光客がうっかりゲイサウナに入って驚くこともあるので、施設の性質を事前に調べてから訪れるのがおすすめです。Googleマップやレビューサイトに「Gay Sauna」や「Men Only」と明記されていることが多いです。

イギリスではロウリュやサウナイベントは少ない?
日本のサウナ施設では、ロウリュやアウフグースなどの熱波イベントが人気ですが、イギリスではこうしたサービスがやっとポピュラーだんだんなりつつあります。
サウナ室も比較的コンパクトで移動式のキャンプ用のものが多いです。
サウナというよりは「温まって汗を流す健康習慣」として位置づけられているケースが多く、日本のような“ととのう文化”とは少し違ったスタイルです。
イギリスではサウナ後の外気浴文化は未発達
サウナ愛好家にとって重要な「外気浴」。日本ではサウナ→水風呂→外気浴という3ステップが主流ですが、イギリスでは外気浴専用スペースがない施設も多いです。Banya no1やフィンランド教会など
水風呂自体は増えています。冷水シャワーで代用するスタイルが一般的。サウナの「整う」ステップを期待して訪れると、少し物足りなさを感じるかもしれませんが、外気浴ができるところも増えています。
ロンドンの「コミュニティサウナ」と、昔からある「ゲイサウナ」は、同じ「サウナ」という言葉で呼ばれていますが、背景や目的、文化的文脈が大きく異なる2つの存在です。以下に、それぞれの歴史や特徴を比較しながら説明します。
イギリスのコミュニティーサウナ(ヒッピー文化からの派生)
背景と起源
ロンドンを含むイギリスでは、2000年代後半〜2010年代にかけて、ヒッピーやサステナブル志向のムーブメントの中から、「サウナ=自然とつながる空間」として再評価されるようになりました。これは、フィンランドやバルト三国の伝統的なサウナ文化への共感が背景にあります。
ヒッピー文化の発展
ヒッピー文化は、1960年代から1970年代初頭にかけて、主にアメリカ合衆国のカリフォルニア州で誕生しましたが、その後、ヨーロッパをはじめとする世界中に広がりました。ヒッピーたちは、物質主義、戦争、社会的抑圧に対する反発から、平和、自由、自然との調和を重視しました。
大麻文化とヨーロッパ・イギリス
大麻の使用は、ヒッピー文化の中で重要な役割を果たしました。1960年代、アメリカでのヒッピー文化の広がりとともに、大麻は反体制の象徴となり、自由な精神を表現する手段として受け入れられるようになりました。ヨーロッパでも、特にオランダなどの国々で、大麻の使用が一般化し、非合法であったものが合法化に向かう動きも見られました。
今日でのイギリスでのサウナ文化の発展
サウナ文化は、フィンランドを中心に発展しましたが、ヨーロッパ全体に広がりを見せました。フィンランドでは、サウナは古くから生活の一部であり、精神的・肉体的な健康維持のために欠かせない存在でした。サウナの歴史は、フィンランドの先住民であるサーミ族に遡り、15世紀にはすでに広く使用されていたと言われています。
サウナがヨーロッパに広がるきっかけとなったのは、20世紀初頭にフィンランドから移民が欧米に渡ったことです。その後、フィンランド以外のヨーロッパ諸国にもサウナ文化が浸透し、特にドイツ、スウェーデン、ロシアなどで人気を博しました。
イギリスにおけるサウナ文化の発展は、1970年代から1980年代にかけてのヒッピー文化や健康志向の高まりとともに始まりました。ロンドンやマンチェスターなどの都市では、サウナがリラクゼーションや健康のための施設として普及し、現在ではスパや健康センター、フィットネスクラブなどで一般的に楽しめるようになっています。

ヒッピー文化、大麻、サウナ文化の交わり
これらの文化は、健康、自由、リラクゼーション、自然との調和といった共通のテーマを持っており、特にヒッピー文化とサウナ文化には深い関連性があります。サウナの医学的効果についてはこちらが参考になります。ヒッピーたちは、肉体的な健康だけでなく、精神的な解放も求め、サウナが持つリラクゼーションや心身の浄化の効果に魅力を感じました。また、サウナと大麻が組み合わさることによって、より深いリラクゼーションや精神的な体験が求められるようになりました。
ヨーロッパやイギリスにおけるヒッピー文化、大麻、そしてサウナ文化は、個々に発展しながらも、相互に影響を与え合い、現代のライフスタイルにも影響を与え続けています。
Sachiko大麻をサウナ施設で吸引することは違法です!
特徴
- 自然・セルフビルド(DIY):木造のバレルサウナやテント式サウナを、地元コミュニティが手作りするケースも多い。
- ジェンダーフリー・マインドフルネス:性別や年齢にとらわれず、誰もが受け入れられる空間を目指す。ヨガや瞑想と組み合わせた「リチュアル型」サウナも。
- アウトドア×サウナ:運河沿いや海辺に設置されるケースもあり、都市生活者が自然に触れるきっかけにもなっている。
- 水着またはタオル着用:公共性を意識し、裸になる文化はほとんどない。
本サイトではヒッピー文化から派生のサウナの紹介がほとんどになります。
ゲイサウナ(LGBTQ+文化の一部)
背景と起源
イギリスにおけるゲイサウナの起源は、1960〜70年代のゲイ解放運動と関わりがあります。
当時、同性愛は長らく違法・社会的に抑圧されていたため、ゲイの人々が安心して出会い、交流できる場として「サウナ形式」の施設が機能していました。
特徴
- セクシュアルマイノリティの安全な空間:プライバシーと匿名性を重視。
- 出会いと社交の場:単なるリラクゼーション施設ではなく、ゲイ・バイセクシュアル男性同士が出会う場としての役割が強い。
- 男性専用・裸が基本:水着は不要な場合が多く、バスタオル1枚で施設内を移動することが多い。
- 深夜営業・個室あり:施設によってはスチームルームやプレイルームなどがあり、明確に社交的または性的目的で訪れる人も多い。
代表例
- Pleasuredrome(ウォータールー)
- Sweatbox Soho(ソーホー)
比較表:ロンドンの「コミュニティサウナ」と「ゲイサウナ」
| 特徴 | コミュニティサウナ | ゲイサウナ |
|---|---|---|
| 起源 | ヒッピー/サステナブル志向 | LGBTQ+の社会的抑圧からの解放 |
| 目的 | 健康・交流・自然との調和 | 社交・出会い・セクシャルアイデンティティの表現 |
| 利用者層 | 男女問わず、広い年齢層 | 主にゲイ・バイセクシュアル男性 |
| 服装 | 水着またはタオル着用 | 基本タオル1枚、裸も可 |
| 雰囲気 | ナチュラル・ウェルビーイング | プライベート・ナイトライフ寄り |
| 場所 | 屋外、川沿い、公園など | 都市中心部、地下など |
まとめ
| 項目 | 日本 | イギリス |
|---|---|---|
| 混浴 | ×(男女別) | 〇(混浴が基本) |
| 水着着用 | × | 〇 |
| バスマット文化 | 〇 | × |
| 外気浴スペース | 〇 | △(稀にあり) |
| ロウリュ・熱波 | 〇 | △(稀にあり) |
| ゲイサウナ | △(一部) | 〇(各地にあり) |
| 料金 | 千円以下 | 大体20GBPでリーズナブル(3000円ぐらい) |
ヒッピー文化もゲイ文化も、自由な自己表現を重視しており、特に「自分らしさ」を大切にしています。ヒッピーは物質主義に反発し、精神的な解放や自然との調和を求め、個人の自由を尊重しました。同様に、ゲイ文化も性的指向における自由を求め、異性愛者の社会からの抑圧に反発しました。
しかしながら、ゲイサウナが性的嗜好のマイノリティーの社交場という意味合いが強いため、コミュニティーサウナとゲイサウナがイギリスで共存しつつも、女性の入場規制など運営の方向に違いがでてきているのがイギリスの現状なのかもしれません。
どちらも「リラックス」と「自分自身に戻る」ことを目的としていますが、そのアプローチや価値観は異なります。




コメント
コメント一覧 (1件)
[…] ほとんどがヒッピー文化から派生した健康志向のサウナとゲイサウナに分かれると思います。こちらのイギリスで共存している二種類のサウナについては下記をご参照ください。 […]