ゆげまるサウナの効果について、最近よく聞きますが、なんか胡散臭そうな気もします。民間療法みたいなものなんですか。エビデンスはありますか。
人体実験のようなサウナの効果について、長年研究や証拠集めが大変むずかしい様に思います。自分の体験から効果がありそう、という感覚的な実感しかないと思われます。
ただこのサウナの効果だけに人体治験を長年しかも、かなりの人数でやってきた研究があるのです。しかも一本や2本の論文ではありません。ムッチャたくさんです。
それが全世界のサウナを牽引するリードカントリー、🇫🇮フィンランドなのです!!
サウナで得られる主な健康効果【最新の医学論文から紹介】
① クオピオ大学(東フィンランド大学)の大規模研究(2015年発表)
- 研究名:Kuopio Ischaemic Heart Disease Risk Factor Study (KIHD study)
- 規模:約2,300名のフィンランド人男性を対象とした長期的追跡研究
- 研究期間:1984年〜2011年(約27年間の追跡)
- 論文発表年:2015年(JAMA Internal Medicine)
この研究がフィンランド国内外で最も広く引用されており、現在のサウナの健康効果に関する議論の中核をなしています。具体的には、サウナの頻度と心血管疾患、認知症リスク、死亡率との関連性を詳細に分析しています。
主な研究結果
- 週に4〜7回サウナに入る男性は、心血管疾患死亡リスクが約50%減少
- 週4回以上のサウナ習慣で、認知症のリスクが最大約66%、アルツハイマー病のリスクが約65%低下
② ヘルシンキ大学の血圧とサウナ利用に関する研究(2018年発表)
- 規模:約1,600名のフィンランド人男女を対象
- 研究期間:1998年〜2015年
- 論文発表年:2018年(American Journal of Hypertension)
主な研究結果
- 週4〜7回の定期的なサウナ利用者は高血圧のリスクが約46%低下
研究対象者数と傾向
フィンランドの代表的な研究では、通常1000名以上の被験者を対象とした中~大規模の研究が多く行われています。これらは主に1980年代以降のデータ収集をもとにしており、発表は2010年代以降の論文が特に国際的に広く認知されています。
よく引用される論文と年代
- Association Between Sauna Bathing and Fatal Cardiovascular and All-Cause Mortality Events(2015年発表)
- Health Benefits of Sauna Bathing(2015年発表)
- Sauna Bathing and Incident Hypertension: A Prospective Cohort Study(2017年発表)
- Sauna bathing is inversely associated with dementia and Alzheimer’s disease in middle-aged Finnish men(2017年発表、認知機能に関する研究)
フィンランドの大規模研究が明らかにしたサウナのメリット
フィンランドではサウナが国民の伝統的な習慣であり、日常生活やコミュニティの中心的役割を担っています。そのため、健康や医学に関する研究テーマとして自然に注目されました。

医学的関心の高まり
20世紀後半から、生活習慣と健康に関する研究が世界的に盛んになりました。フィンランドでもサウナが循環器系や精神的健康に与える影響が医学的に注目され、多数の研究が行われています。
フィンランドの国家的な健康政策
フィンランドでは1970年代以降、生活習慣病の予防を目的とした国家レベルの健康政策が積極的に進められてきました。特に「ノースカレリア・プロジェクト」(North Karelia Project)は、世界的にも先駆的な地域介入型の健康増進プロジェクトとして知られています。食生活の改善や禁煙運動などを地域全体で推進し、心血管疾患による死亡率の大幅な減少に成功しました。ノースカレリア・プロジェクトの成果は非常に大きく、開始から35年間で30~59歳男性の冠動脈疾患による死亡率が85%減少するなど、国民全体の健康水準が飛躍的に向上しました。
このプロジェクトでは、ハイリスク者への個別介入(ハイリスク戦略)と、地域社会全体を対象にした人口戦略が組み合わされ、健康教育や啓発活動、地域資源の活用を通じて、住民の行動変容と社会的規範の変革が図られました。また、WHO(世界保健機関)とも連携し、一次予防・二次予防の両面から科学的評価と政策実装が進められました。
このように、フィンランドではサウナを含めた包括的な健康政策が、国民の健康増進に大きく寄与しています。
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サウナと心血管疾患リスク低減の医学的メカニズム
心血管疾患のリスク低減に対するサウナの効果は、近年の大規模な疫学研究や臨床試験によって科学的に裏付けられつつあります。定期的なサウナ浴は、心拍数や血流の増加、血管の拡張といった生理的変化をもたらし、これが高血圧や動脈硬化の予防、心臓への負担軽減につながると考えられています。さらに、サウナ習慣のある人は心疾患や脳卒中の発症率が有意に低いことも報告されており、その背景には血管内皮機能の改善や血圧低下など、複数の医学的メカニズムが関与していると見られています。
本セクションでは、サウナが心血管疾患リスクを低減する医学的な仕組みについて、最新の研究知見をもとに解説します。
心臓血管系の健康改善
フィンランドのクオピオ大学の研究によると、定期的なサウナ利用は心臓病のリスクを大幅に軽減することが示されています。特に週に4〜7回のサウナ利用者は、心臓病による死亡リスクが約50%低下すると報告されています。
血圧の改善
別のフィンランドの研究では、定期的なサウナ浴が血管の弾力性を高め、血圧の改善に繋がることが明らかになりました。サウナの熱によって血管が拡張し、血流が改善されるため、慢性的な高血圧の改善に効果的です。
ストレスの軽減と睡眠の質向上
フィンランドの研究論文では、サウナが身体的ストレスだけでなく心理的ストレスの軽減にも役立つことが明らかになっています。定期的なサウナ利用は、自律神経のバランスを整え、深い睡眠を促進します。
特に眠りについた直後の睡眠の質の改善が認められています。そのため長く寝るというより、眠りの質を上げるようです。

長期的な記憶力・認知機能改善の報告
フィンランドの東フィンランド大学(クオピオ大学を含む)などが行った長期的な研究では、定期的にサウナを利用する人々が、認知症やアルツハイマー病のリスクが低いことが明らかになっています。
- 週に4回以上の定期的なサウナ利用で、認知症の発症リスクが最大66%低下
- アルツハイマー病のリスクも最大65%低下
これは、サウナによる血行促進、脳の炎症軽減、自律神経の調整が関係していると推測されています。
サウナ利用時の医学的リスク・注意点
サウナは多くの健康効果が期待できる一方で、利用時にはいくつかの医学的リスクや注意点も存在します。特に心疾患や高血圧、低血圧など循環器系に持病がある方や、妊娠中・高齢者の方は、サウナの高温環境が心臓や血圧に負担をかける可能性があるため、利用前に必ず医師と相談することが推奨されています。また、脱水や電解質バランスの乱れ、急激な温度変化によるめまいや失神、飲酒後の利用によるリスク増大など、健康な方でも注意すべきポイントがあります。
このセクションでは、サウナ利用時に気をつけたい医学的リスクや安全な利用のためのポイントについて、最新の知見をもとに解説します。
心臓への過度な負担
フィンランドの医学研究によれば、心臓病や循環器系の問題を抱える方が急激に高温のサウナを長時間利用すると、心臓に負担がかかり健康リスクが高まる可能性があります。持病を持つ人は医師と相談して利用することが推奨されています。
皮膚の乾燥と刺激
頻繁なサウナ利用は皮膚を過度に乾燥させる場合があります。フィンランドの皮膚科関連研究では、敏感肌や乾燥肌の方はサウナ後に十分な保湿ケアが必要であると指摘されています。
サウナハットで髪の毛の乾燥を防げます。白い淡い色の方が、効果があるようです。
脱水症状のリスク
フィンランドの学術研究においても、サウナで大量に汗をかくことによる脱水症状のリスクが指摘されています。サウナ利用後の適切な水分補給が重要であり、特に高齢者や基礎疾患を持つ方は注意が必要です。
サウナと精子数の関係性
サウナの熱が陰嚢周辺の温度を一時的に上昇させるため、精子の生成が一時的に抑制される可能性があります。
実際の研究例(フィンランドの研究含む)では以下のような報告があります。
- 陰嚢温度の上昇による精子数の減少:
サウナを頻繁に利用する男性では、一時的に精子の生成量や運動性が低下することが確認されています。 - 回復可能な一時的な影響:
多くの研究では、この影響は一時的であり、サウナ利用を控えると数週間以内に正常な精子数と運動性が回復すると報告しています。
短期的な認知機能低下の可能性
フィンランドを含むいくつかの研究では、サウナ浴直後には体温の急激な上昇や一時的な脱水症状などにより、注意力や記憶力などの認知機能が一時的に低下する可能性が示唆されています。特に、脱水症状が起こると、脳への血流が一時的に減少し、認知機能が一時的に低下する可能性があります。
ゆげまる試験の直前とかサウナには向いていないのかもしれませんね。
サウナは、リラックスしすぎて大事なことを忘れてしまうのかもしれません。サウナ直後に認知機能や記憶力が一時的に低下する可能性はありますが、それは一時的かつ水分補給など適切な対策で最小限にできます。長期的にはむしろ、記憶力や認知機能が改善される可能性が高いと言えるでしょう。
科学的研究に基づく、サウナ&飲酒時に必要な水分

当サウナ集会では、いつもサウナの後にパブでビールを飲むことが多いので、サウナを浴びる直前からパインとのビールを一杯飲むまでの必要水分量を計算しました。
サウナの温度が約85度の環境に10分間滞在すると、平均的に体から失われる水分量は約300〜500ml程度とされています。フィンランドのサウナ研究では、10分間で約400ml前後の水分が汗として排出されることが報告されています。
1パイント(約568ml)でアルコール度数5%のビールを飲む場合、アルコールによる利尿作用で、摂取したビールの約1.2~1.5倍の水分を追加で補給することが推奨されます。
そのため、サウナに入ってからサウナ中そしてビールを摂取する直前までに、1.5リットルから2リットルの水分補給が必要です。
まあ、もちろん、お酒を飲まない方がいいに決まってます😅
各論文に基づく、サウナ後に不足しがちなミネラル・ビタミン一覧
サウナでたっぷり汗をかくと、体内のビタミンやミネラルも一緒に失われてしまいます。そこで、サウナ後にぜひ補給したい代表的な栄養素やおすすめのサプリメントを以下にご紹介します。
① ビタミンC
サウナ後は身体が酸化ストレスにさらされやすく、抗酸化作用が強いビタミンCは体内の活性酸素を減少させ、回復を促します。
② カリウム(Potassium)
汗をかくことで失われる電解質の一つです。サウナで失われた水分と一緒に摂取すると、体液バランスが整い、筋肉の痙攣予防にも効果があります。
③ マグネシウム(Magnesium)
筋肉の弛緩を助け、神経系の回復を促進します。マグネシウムはリラックス効果が高く、サウナ後の睡眠改善にも役立ちます。
④ ナトリウム(Sodium)
大量の発汗によって失われる電解質で、特に水分とともにナトリウムを適切に補給することで体液バランスを素早く回復させます。
⑤ ビタミンB群
ビタミンB群はエネルギー代謝を助けるため、疲労回復に役立ちます。特にビタミンB1やB6は神経機能を正常化し、疲労感を軽減します。
サウナ後には、これらを組み合わせたマルチミネラル・ビタミンサプリメントを摂取するか、それぞれを食品(バナナ、オレンジジュース、ココナッツウォーターなど)から摂取することをおすすめします。
結論
フィンランドの学術研究が示すように、サウナには多くの健康的な利点がありますが、同時にリスクも伴います。正しい知識を持ち、個人の健康状態に合わせて利用することで、安全かつ効果的にサウナを楽しむことが重要です。




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