100℃の薪サウナで聞いたリバプール若者の本音

リバプール100度の薪サウナ
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9月のある日曜日、リバプールの北のはずれにある湖のほとりで、薪の匂いに包まれてきました。ロンドンでサウナ探しをしている人は多いけど、実は今、イギリスの地方都市にこそ本格派の薪サウナがどんどん増えているんですよ。

この記事では、リバプール郊外のクロスビーにある「Mersea Sauna(マーシーサウナ)」を、実際に行った僕の体験と、料金・持ち物・ルールまで含めて紹介します。ついでに、僕なりに感じた「イギリスのサウナブームの今」も。

イギリスのサウナって、ホテルのジムの隅にある電気のやつでしょ? わざわざリバプールまで行く価値あるのかな…

それが今、薪ストーブの本格派が地方に次々できてるんだよ。今回はその一つ、湖のほとりの薪サウナをレポするね。

Mersea Saunaのインスタリールです。

目次

Mersea Saunaとは?マージーサイド初の薪窯モバイルサウナ

池を見ながらつかれるサウナ

Mersea Saunaは、リバプール市内から北に電車で20分ほど行ったクロスビー(Crosby)にある屋外サウナです。マージーサイド州で初めての本格的な薪窯式モバイルサウナ、というのが売り文句。運営はMERSEA SAUNA LTD(以前はHEAT RETREAT LTDという社名だったそうです)。

場所はCrosby Lakeside Adventure Centreという、ウォータースポーツをやる施設のすぐ横。クロスビー・マリーナという大きなボート池のほとりにサウナ小屋がぽつんと置いてある、そんなイメージです。

電気じゃなくて本物の薪。80〜100℃のロウリュ

ここが一番のポイントで、ヒーターは電気じゃなくて本物の薪ストーブなんですよ。室温は80℃から100℃くらい。サウナストーンに水をかけるロウリュもできます。ただし水のみ。アロマオイルやエッセンシャルオイルは禁止なので、日本のサウナで慣れているアロマロウリュを期待して行くと「あれ?」となるかもしれません。

で、薪の何がいいかっていうと、匂いと熱の質。電気ヒーターのカラッとした熱とは違って、じんわり体の芯に来る感じ。これは行った人にしかわからない。そう、これ。

パノラマ窓から見えるクロスビー・マリーナの水鳥

サウナの中でのコミュニケーション

サウナ室には大きなパノラマ窓がついていて、目の前の湖と水鳥を眺めながら汗をかけます。日本の温泉施設でいうところの「露天からの眺め」をサウナ室の中で味わえる感じですね。地味だけど、これがけっこう効く。

実際に行ってきた(9月の日曜日、14時の最終枠)

サウナの中で相談に乗っている中年男性と仕事を見つけるのに困っている若者

ここからは僕の体験談です。土曜日にマンチェスターで仕事があって、そのまま日曜日にリバプールへ。午前中は同じリバプールにあるSauna Birds(こっちはQueens Dockにある薪サウナ)に入って、午後からMersea Saunaという、我ながら贅沢な一日でした。

ウォータールー駅まで電車。ここがちょっとギリギリだった

Mersea Saunaの予約は14時の枠。日曜日はこれが最後のブッキングです。リバプール中心部からマージーレール(Merseyrail)という近郊電車に乗って、たしか3駅か4駅、Waterloo(ウォータールー)という駅まで行きます。

ぶっちゃけ、Sauna Birdsからの移動で思ったより時間を食いました。市内の移動と電車の待ち時間を足すと、ギリギリ。Mersea Saunaは10分以上遅刻するとセッション短縮か、最悪キャンセル扱い(返金なし)になるので、ここはハシゴする人は注意です。

ちなみにその日はエバートンの試合日で、スタジアム最寄りの駅で電車からどっと人が降りていきました。相手はマンチェスターのチーム。2対2だったと思うんですが、なかなかいい試合だったみたいですね。

ウォータールー駅からは歩いて10分くらい。住宅街を抜けると、急に海っぽい空気になってアドベンチャーセンターが見えてきます。

更衣室つきの小屋、最大6人の距離感

センターの建物に入って、そのまま外に出ると、スカンジナビア式の薪サウナが置いてありました。小屋の大きさはSauna Birdsのものとほぼ同じ。ただ、こっちは中に小さな更衣室スペースがあるので、その分だけサウナ室は少し小さめです。

もちろん薪サウナなのでとても暑い。サウナ(推奨5〜15分)と、外に置いてある冷水バスタブ(cold plunge tub)を交互に繰り返す温冷交代浴が基本スタイルです。日本でいう「サウナ→水風呂→外気浴」のセットが、湖のほとりでできるわけです。

1枠は最大6人まで。この日は僕のほかに、高校生くらいの若い男の子が3人と、カップルが1組。全員地元の人でした。少人数なので自然と会話が生まれる距離感なんですよ。地元コミュニティの場、というコンセプトがそのまま形になっている感じ。

サウナ室で聞いた、リバプールの若者のリアル

エバートンサポーターが駅に降りる様子

で、この6人の空間がけっこう面白かった。

高校生っぽい3人組は、ちょうどその時間にエバートンの試合をやっている真っ最中だったので、「リバプールサポーター?」と聞いてみたら、まあ当然のようにリバプールサポーター。ただ、そこまでサッカーに夢中というわけでもなさそうで、試合を見ずにサウナに来ているくらいですからね。2人はよくしゃべる活発なタイプで、もう1人はちょっと物静かな感じ。

カップルの男性はかなり筋肉質で、バーベルで90キロ挙げると言っていました(腰を痛めていて最近はあまりやってないらしいけど)。まあ、見た目からして納得。

そのうち、物静かな男の子が「今、仕事がなくて困ってる」という話を始めたんですよ。AIが仕事を奪っていくのが怖い、と。で、それを筋肉質の彼がなだめ始めたんですが、これがだんだん説教くさくなってきて。

聞いている僕のほうがいたたまれなかった。薪サウナの100℃の中で、知らない人の人生相談を聞く。これはこれで、イギリスのサウナの醍醐味かもしれません。

僕自身の考えを言うと、AIは使えるものは使えばいいし、関係ない仕事には関係ない。

フレンチシェフがAIに置き換わるわけじゃない。

要は、人が必要とされるものになれればいいんじゃないかと思っています。AIに取って代わる様な仕事はそもそも価値がない。

まあ、汗だくの若者にそれを英語で伝えるのは、ちょっとハードルが高かったですけど。

観光でリバプールに行ったついでに寄れる感じ?

もしよろしけばロンドンシティで9月23日に講演をするのでぜひ。

選ばれる会社の作り方

正直、市内から少し離れてるから「ついで」だと厳しいかも。でもサウナ目的でわざわざ行くなら、この静かさは最高だよ。

ここは正直に書いておきます。場所がリバプールの北側なので、地元の人はよく来ているけど、旅行者がリバプール観光のついでに寄る場所ではないかなと思いました。逆にいうと、サウナが目的の人にとっては、観光客がいなくて落ち着ける。そこが魅力です。

Mersea Saunaの料金と予約方法(単発£15、回数券で最大30%オフ)

Mersea Saunaの料金と予約方法

予約はAcuity Schedulingという予約サイトから。クレジットカードなどで事前決済する完全キャッシュレスです。現地で現金を出す場面はありません。料金は2026年9月時点でこんな感じ。

単発利用は1人£15で50分。回数券は6回で£75(実質1回分無料)、10回で£120(1回£12)、20回で£225(1回£11.25)、30回で£315(1回£10.50)。どれも購入から6ヶ月有効です。

たとえば10回券を買ったとして、6ヶ月以内に使い切るには月に2回ペース。ロンドン在住だとそれはさすがに無理なので、僕らのような遠征組は単発一択ですね。地元の人向けの設計です。

貸切(Private Session)もあって、50分で最大6人、£90。6人で割れば1人£15なので、単発と同じ値段で友達だけの空間になる計算。サウナ仲間とリバプール遠征するなら、これが一番おいしい使い方だと思います(Indytuteという別サイト経由だと£99なので、公式から予約するのが安い)。

キャンセル規定は48時間がライン

ルールは意外と細かいです。48時間以上前の連絡なら全額返金か無料の日程変更。24〜48時間前だと50%返金、または1回だけペナルティなしで日程変更。24時間を切ると返金なし。無断キャンセルも当然ゼロです。

具体的に言うと、日曜14時の枠を予約していて、金曜の13時までに連絡すれば全額戻ってくる。土曜の朝に「やっぱり行けない」となると半額。日曜の朝だとアウト、という感じです。

持ち物とルール。日本のサウナと違うところ

持ち物とルール。日本のサウナと違うところ

ここは日本のサウナ感覚で行くと一番戸惑うところなので、ちゃんと書きます。

水着必須、タオルは2枚、ガラス瓶はNG

まず裸はダメ。水着必須です。男性はスイミングショーツ、女性はセパレートでもワンピースでもOK。ただし金属パーツ付きの水着や下着での利用は不可。金属は熱くなって火傷するからですね。

タオルはイギリスでは普通2枚持っていきます。1枚は小さめで、木のベンチに敷いてお尻の下に置く用。もう1枚は大きめで、冷水浴のあとや帰り際に体を拭く用。日本のサウナだと施設がタオルを貸してくれることが多いけど、ここは完全に持参です。ただここもリバプールローカルルールでサウナ内でタオルを引いている人はいませんでした。

飲み物も持参。ただしガラス瓶は禁止(高温で割れる危険があるため)。再利用できるボトルに水を入れて持っていくのが正解です。

あると便利なのは、ビーチサンダル(サウナ、冷水バスタブ、外気浴の間を行き来するので)、バスローブ(屋外なので移動中寒い)、ドライバッグ(荷物が濡れる)、あと使い捨てコンタクトの人は目薬。高温で乾くとレンズが傷むそうです。

アロマ禁止、貴金属NG、16歳未満は入れない

禁止事項もはっきりしています。アルコールを飲んだ状態での利用は厳禁。サウナ室でのシャンプーや石けん、アロマオイルの使用も禁止。金属のアクセサリーは火傷防止のため外す必要があります。

年齢は16歳未満は利用不可。健康面では、高血圧や低血圧、心疾患、てんかん、糖尿病、妊娠中、感染性の皮膚疾患、開いた傷がある人は入れません。ここは日本のサウナよりだいぶ厳格です。

営業時間は水曜18〜21時、金曜と土曜が10〜13時、日曜が10〜15時。月火木はお休み(時期によって変わるので、行く前に公式サイトで確認を)。駐車場は、アドベンチャーセンターのレセプションで申請すればサウナ利用者は無料の駐車許可証がもらえます。周辺道路にも無料で停められる場所があるとのこと。

リバプール3大サウナ比較。WYLD・Sauna Birds・Mersea

リバプール3大サウナ比較

リバプール周辺、実はサウナが充実しているんですよ。僕が実際に入った3つをざっくり比べるとこうなります。

WYLD Saunaは市内中心部のPrinces Dockにある、イギリス初の大型浮体式サウナ。30人規模で電気ヒーター。Dysonのドライヤーや水着の脱水機まであって、ドックに飛び込むこともできる。設備重視の人はこっち。

Sauna Birdsは、同じく市内のQueens Dockにあるウォータースポーツセンターの薪サウナ。小屋のサイズはMerseaとほぼ同じで、こっちは市内中心部から歩いて行ける距離。この日の午前中に入ったのがここです。街なかで薪の熱に当たりたいなら、まずここ。

そしてMersea Saunaは、市内から電車で北へ出た湖のほとり。本物の薪の香りとパノラマの眺め、アドベンチャーセンター併設という安心感を兼ね備えたアットホームな本格派。ちなみにウィラル半島の砂浜にはDetox Wirralというトレーラー型サウナもあって、それも入れるとリバプール周辺だけで4つ。すごい密度です。

で、結局どれに行けばいいの?

静かに薪の香りを楽しみたいならMersea。市内でならWYLD。時間がなくても薪サウナがいいならSauna Birdsかな。

日本人から見た「イギリスのサウナブーム」の今

日本人から見た「イギリスのサウナブーム」の今

僕はロンドンでサウナのコミュニティ活動をやっていて、いずれ日本のスーパー銭湯をロンドンで開きたいと思っている人間です。

だから今回の遠征は、半分は趣味、半分は視察。

で、感じたこと。イギリスのサウナブームはロンドンだけの話じゃない。リバプールという一つの都市に、コンセプトの違う薪サウナや浮体式サウナが4つもある。

しかも、どこも地元の人がふつうに通っている。数年前には想像できなかった光景です。

面白いのが、どこも「スパ」じゃなくて「コミュニティ」を名乗っていること。

6人の小さな小屋で、知らない人同士が汗をかきながら仕事の悩みまでしゃべる。日本の銭湯が持っていた役割を、イギリスでは薪サウナが担い始めているように見えます。

ただ、ものすごく実務的なことを言うと、タオルもサウナハットもロウリュ用のアロマも「持ち込み」の文化なんですよね。

日本の施設みたいに全部揃っている場所はまだ少ない。

あとイギリス人はサウナハットをかぶるのがダサいと思っているようです。なかなかかぶらない。

Mersea Saunaを出たあとは、リバプール中心部に戻ってパブでアーセナル対チェルシーの試合を見ました。アーセナルが見事に勝って、薪の匂いと勝利の余韻で、とてもいい一日でしたね。

ロンドンからリバプールまでは電車で2時間ちょっと。営業は水・金・土・日だけなので、週末に薪の匂いを嗅ぎに行く小旅行として、ぜひ計画してみてください。行くなら水着とタオル2枚、それとガラスじゃないボトル。これだけは忘れずに。

ロンドンでサウナ仲間を見つけたい方へ
   

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「ロンドンでもっと気軽にサウナを楽しみたい」「一緒に行ける仲間がほしい」——そんな想いから生まれました。ロンドンのサウナ愛好者が集うLINEグループとなっています。

   

このグループでは、ロンドン在住・滞在中のサウナ好き同士が交流しながら、サウナに行く予定を立てたり、イギリス最新サウナ情報を交換しています。非営利で、誰でも自由に参加できるゆるやかなコミュニティです。

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