ロンドンから日帰り、UK最大級のビーチサウナ実録

ロンドン日帰り ビーチサウナ
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Sachiko

ロンドンから日帰りで車でいける、海辺のサウナでおすすめはないですか。

5月のある週末、僕がロンドンから持って出たのはスーツケースじゃなくて、水着だった。

向かった先はケント州の海辺の町、Folkestone(フォークストーン)。イギリス最大級のビーチサウナ「Sea Scrub Sauna(シースクラブ・サウナ)」に行ってきたんです。

汗をかいて、海に飛び込んで、最後は日本の出汁スープをすする。そんな一日。ぶっちゃけ、行く前は半信半疑でした。だってイギリスの海ですよ。冷たいに決まってる。でも帰るころには「これ、ロンドンにも欲しい…」って本気で思ってたんですよね。

イギリスの海でサウナって、寒すぎて無理じゃない…? しかも初心者だし、なんか怖い。

それがね、逆なんですよ。この記事で6月に実際に行った体験を全部レポートするから、読み終わるころには行きたくなってるはず。予約のやり方も持ち物も書いておく。

Sauna(シースクラブ・サウナ)フォルクストーンのインスタリールです。

サウナの外見
目次

そもそもSea Scrub Saunaって何者? 開業秘話がちょっとエモい

海とサウナ

まず場所の話から。Sea Scrub SaunaはケントにMargate、Whitstable、Favershamと展開していて、このFolkestone店が4つ目。

そして最大の旗艦店です。「UKで一番大きいビーチスパ」を名乗っていて、これは伊達じゃない。実際に立つと、規模感に圧倒される。

でも僕がグッときたのは、施設のスペックより「どうやってここが生まれたか」の話だったりする。

始まりはオスロのフィヨルド

創業したのは、ロビン・バートレットとルーク・シンクレアという2人。ロビンは冷水泳ぎが趣味で、しかもRNLI(王立救命艇協会)のボランティアもやっている人。ルークはノルウェーのオスロ在住。

2人がハマったのが、オスロのフィヨルドに浮かぶ「フローティング・サウナ」の文化でした。手作りのサウナで体を温めて、氷みたいに冷たい海にドボン。しかもそこには、お酒がなくても人が自然に集まってくる。荒れていた海辺が、いつのまにか活気あるコミュニティの場所に変わっていく。それを目の当たりにして、「これ、イギリスの海岸にも持ち込めないか?」と思ったのが出発点なんですね。

地元の熱意と合流して、UK最大級へ

面白いのが、Folkestone側にもすでに火種があったこと。2018年、デンマーク出身のピーター・ブラッハという人が「Folkestone Sea Sauna」というコミュニティグループを立ち上げていて、廃墟になっていたローイングクラブのガレージをサウナにしよう、と長年キャンペーンを続けていた。

この地元の草の根の熱意と、Sea Scrub Saunaのノウハウ、そしてFolkestone港湾開発会社の後押し。この3つがガッチリ噛み合って、2026年3月にオープンしたのが今のFolkestone店です。開業直後の3月には、当時のFolkestone市長ルーシー・マクガーさんも母親と一緒にジャグジーを試しに来ていたそう。地元にとっての一大イベントだったわけです。

ちなみにこの施設、2026年に英国サウナ協会(British Sauna Society)が主催したサミットで「Best New Sauna」を受賞している。つまり、業界のプロからも「これは新しい」と認められた場所なんですよ。

Folkestoneで温冷交代浴をやってみた

入り口から水風呂の雰囲気

さて、ここからが本番。僕が6月に実際に体験してきた話です。

結論から言うと、想像の3倍よかった。夏の6月とはいえ、イギリスの海はまだひんやり。だからこそ「熱いサウナ→冷たい水」のコントラストが効くんですよね。

2種類のサウナから選べる

Sea Scrub Saunaには、性格の違う2つのサウナがある。

ひとつは「スカンジナビアン・サウナ」。スカンジナビアの名メーカーが作った本格派で、U字型の内装に最大16人が入れる。上段ベンチの上には大きなパノラマ窓があって、そこからイギリス海峡がドーンと見える。薪ストーブの熱がじんわり、でも深く効く。座って海を眺めているだけで、正直もう満足しかけた(笑)。

もうひとつは「シェパード・ハット・サウナ」。こっちはケントの地元職人が手作りしたコンパクトなやつで、波打ち際ギリギリに置いてある。薪火のパチパチいう音を聞きながら、目の前は海。素朴だけど、この場所のために生まれたみたいなサウナで、僕はこっちのほうが好きだったかも。(予約の際にどちらかを選ばないといけません。

冷水プランジ4〜6℃の衝撃、そして海に直結する小さな扉

で、汗だくになったら冷水プールへ。ここが目玉です。

プランジプールは2つあって、初心者向けが約10〜17℃、上級者向けのチラー冷却プールが約4〜6℃。この4〜6℃がね、もう、言葉を失う冷たさなんですよ。入った瞬間、全身が「なんだこれ!」って叫ぶ。数秒すると足にピリピリと針を刺すような感覚がきて、そこで上がると、今度は体じゅうにエンドルフィンがブワッと巡る。この落差がクセになる。

4℃って…想像もつかない。初めてでもいきなり入って大丈夫なの?

大丈夫。ここは初心者にやさしくて、ぬるめのプール、シャワー、冷水バケツと段階がある。自分に合うペースを探せるんだよ。無理は禁物、だけどね。

そしてもうひとつ。施設の端に、小さな木の扉があるんです。これを開けると、ほぼそのままイギリス海峡(English Channel)に出られる。つまり、本物の海にドボンできる。波のある本物の海に飛び込むのは、プールとはまた別格の体験でした。ただし浜は砂利なので、ここはビーチシューズ必須(後でちゃんと書きます)。

あと海を見渡せる温かいジャグジー(ホットタブ)もあって、これがまた効く。冷えた体をここでゆっくり戻す。開業時に市長がくれたという裏技が「体を水面の下にキープすると温かいまま」。実際そのとおりでした。

見知らぬ人と「うわっ」で仲良くなる

Folkestone店が他店と決定的に違うのが、この冷水プールが「共用(コミュナル)」だってこと。つまり、知らない人と一緒に冷たい水に入る。

これがね、想像以上によかった。みんなで同時に体を沈めて、全員が同じ顔で「うぐっ」ってなって、そのあと一斉にフーッと息を吐く。この瞬間、さっきまで他人だった人たちと、なぜか一気に距離が縮まる。冷たい水って、人を仲間にする力があるんですよ。北欧の水浴び文化の一番古い部分が、まさにこれ。

僕が行った日も、Folkestoneに引っ越してきたばかりのフィンランド人や、地元の常連グループがいて、いつのまにか「近くのいいレストランどこ?」「明日どこ歩けばいい?」なんて会話になっていた。お酒なしで、初対面の人とこんなに自然に話せる場所って、なかなかない。これが創業者たちがオスロで見た光景そのものなんだな、と腑に落ちました。

これはメンタルの「ファクトリーリセット」だ

水風呂三つある。真ん中がジャグジーになっている。

サウナと冷水浴って、気持ちいいだけじゃなくて、メンタルにけっこう効くんですよね。

サウナは80〜90℃くらいの乾いた熱で深く汗をかく。それを冷水と組み合わせることで、血流や心臓まわりにいいとされているし、運動後の回復にも役立つと言われている。でも僕が一番実感したのは、頭の中がスッキリ「初期化」される感覚。

スマホでいう「ファクトリーリセット(工場出荷状態に戻す)」ってあるじゃないですか。あれに近い。日々のストレスとか、頭の中でグルグルしてた雑念が、あの冷たい水にドボンとやった瞬間、いったん全部リセットされる。一種の「洗礼(baptism)」みたいな感じ。

ただし注意。サウナの前や最中にお酒はダメ。水分はしっかり取る。食事は軽めに。初心者なら「15分サウナ→5分冷水」を3セットくらいから、ゆっくり体を慣らすのがいい。鼻から吸って口から吐く、深い呼吸を意識して、絶対に無理はしない。体の声を聞くのが一番大事です。

Folkestoneの街そのものが、想像以上に最高だった

焚き火

で、サウナだけ入って帰るのはもったいない。Folkestoneの街が、まあ良かった。

サウナがあるのは「Harbour Arm(ハーバーアーム)」という、海に突き出した昔の防波堤エリア。かつては寂れたフェリー港だったのが、慈善家サー・ロジャー・デ・ハーンの手で2014年から生まれ変わって、今やケント屈指の観光スポットになっている。防波堤の上をのんびり歩けて、海峡の景色が抜群。

食べ物の屋台も充実していて、アルゼンチン風ステーキサンド、パッタイ、ピザ、タコス、ブラートヴルスト、ギロ…と、世界一周みたいなラインナップ。無料の野外シネマもあるし、ビーチには12ホールのアドベンチャーゴルフまである。2026年は4月〜9月の週末に、独立系のストリートフード屋台やポップアップバーが日替わりで出るプログラムも走っていました。

ちょっと歩けば「Creative Quarter(クリエイティブ・クオーター)」という、カラフルな一本道にインディペンデントの店やアトリエ、雑貨屋が並ぶエリアもある。アントニー・ゴームリーの彫刻「Another Time」が、干潮のときだけ海辺にポツンと現れるのも有名。

サウナのあと、この街をぶらぶらするだけで一日が完成します。デッキチェアをキオスクで借りて、ただ海を眺めるのも最高だった。

予約・料金・持ち物、ぜんぶ教えます

焚き火と男

ここからは実用情報。行く前に知っておくとスムーズなやつをまとめます。

場所・営業時間・料金

場所は Harbour Approach Road, Folkestone CT20 1QH。Harbour Armの砂利浜に直接建っています。ロンドンからは電車で日帰りできる距離。

営業時間は、だいたい朝8時ごろから夜8時半〜9時ごろまで。火曜日は定休です。ただ、ここは正直に書いておくと、時期によって開始時間や昼の休憩帯が変わります。開業直後は月曜だけ午後スタートだったりもした。なので確実なのは、予約サイトで最新の枠を見ること。これが一番間違いない。

料金は、他のお客さんと空間をシェアする「ソーシャルセッション」が1時間£20から。年間メンバー(£30/年)になると1回£17前後まで下がるので、2〜3回行くつもりなら年会員のほうが得。

予約の流れとキャンセルポリシー

予約は公式サイト(seascrubsauna.co.uk/folkestone)から、事前にオンライン予約+クレジットカード決済。当日ふらっと行くんじゃなくて、先に押さえておくスタイルです。Apple PayやGoogle Payも使える。

予約のときに選ぶのは2つ。まず「ソーシャル(共有)」か「プライベート(貸切)」か。次にサウナ室を「スカンジナビアン」か「シェパードハット」か。初めてなら、いろんな人と話せるソーシャルがおすすめ。家族やグループでゆっくりしたいならプライベート。

で、ここは要注意。キャンセルポリシーがけっこう厳しめです。プライベート貸切は48時間前までなら手数料(2.5%)を引いて返金OK。でもソーシャルセッションは基本、返金なし。ただし48時間前までに連絡すれば、1回だけ別の日に振り替えできる。たとえば土曜10時の予約をしていて、木曜の朝までに連絡すれば別日に動かせる、というイメージ。天気が読みにくいイギリスだからこそ、ここは頭に入れておくといい。

ちなみに5歳以上16歳未満の子どもも、大人が付き添えばOK。家族向けのプライベートセッションもあります。

持ち物はこの4点。あとサウナグッズの話

サウナとサウナハット

最後に、持って行くべきもの。これ、忘れると地味に困るので4点まとめます。

ひとつ、水着。全員着用が基本なので必須。ふたつ、ビーチシューズ(サンダル)。浜が砂利なので、裸足だと足の裏が痛い。海に飛び込むならなおさら要る。みっつ、水分補給用の水。サウナでかなり汗をかくので絶対。よっつ、マイタオル。サウナのベンチに敷く用と、体を拭く用。これがあると快適さが段違いです。

で、ここからは僕の職業病というか、ビジネス目線の話。僕はロンドンで日本のスーパー銭湯を開きたくて、サウナグッズの物販にも興味があるんです。だからこういう施設に行くと、つい「何を売っているか」を見てしまう。

Sea Scrub Saunaは、物販まわりもちゃんと作り込んでいた。ギフトバウチャー、セッションのアドオン、ゴールド会員のウェルカムギフトパック、デッキチェアのレンタルまで。「体験」だけで終わらせず、持ち帰れるもの・贈れるものを用意している。ここ、日本のスーパー銭湯が館内でタオルやサウナハット、化粧水を売るのと同じ発想なんですよね。

逆に言うと、サウナハットや今治タオル、サウナポンチョ、ととのいグッズみたいな日本ならではのアイテムは、こういう場所ですごく刺さる余地がある。実際に現場に立つと、そういう「あったら買っちゃうな」というスキマが見えてくる。これは行った人にしかわからない収穫でした。

ロンドンにも、こういう場所がほしい

薪ストーブとサウナ室から見える海辺

帰りの電車で、ずっと考えていました。汗をかいて、冷たい海に飛び込んで、知らない人と笑って、最後に出汁スープで温まる。たったそれだけなのに、心も体も「初期化」されて、別人みたいに軽くなっていた。

お酒がなくても人が集まって、海辺が生き返って、コミュニティになる。創業者がオスロで見た景色が、ケントの浜で本当に起きていた。日本のスーパー銭湯と、北欧のサウナ文化。この2つは、実はすごく近いところにいる。それをFolkestoneで確信できたのが、この日いちばんの収穫だったかもしれません。

ロンドンから電車で行ける距離に、こんな場所がある。水着とビーチシューズを持って、ぜひ一度。きっと帰るころには、あなたも「また来たい」って言ってるはずです。

サウナの前の集合写真 サウナギルドのメンバーと
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